フランスの研究者ビザ取得 – 大使館での申請 (2020年9月編)

convention d’accueilの取得に続き、大使館での申請編です。フランスのビザ申請は、申請する本人 (家族が同行する場合はその家族全員) が大使館に行って申請する必要があります。

大使館での申請には事前予約が必要です。このサイトから予約を取ります。なるべく渡航予定日の3週間より前に予約を入れることをおすすめします。季節に寄っては予約が取れず、1ヶ月後しか空いていないということもあります。あいていれば後で変更が可能ですので、まず先に予約を取ることをおすすめします (ただし書類が揃ってないと受け付けてもらえないので、convention d’accueilが届くのを見越した日程にする必要があります)。予約が取れたら予約票を印刷しておきます。これは大使館に入場する際に提示が必要になります。

必要な書類はウェブサイトから確認できます。以前は研究者ビザのページが在日フランス大使館のウェブサイトにあったのですが、いつの間にか消えてしまっています。なおVISAの種類はPasseport Talent Chercheur (才能ビザ – 研究者) となります。このビザで必要な書類は

  • Application form dated and signed, which must be printed and returned in original when filing the application. No scanning. (長期ビザ申請書)
  • A travel document, issued less than 10 years ago, containing at least two blank pages, with a period of validity at least 3 months longer than the date on which you intend to leave the Schengen Area or, in the case of a long stay, at least three months longer than the expiry date of the visa requested. (要は有効期限とビザを貼るスペースが十分にあるパスポート)
  • France-Visas receipt which must be printed and returned in original when filing the application. No scanning. (これはよくわからず、結局新申請には必要なし)
  • ID photograph. (45×35 mmの証明写真)
  • If you are not a Japanese national : valid Japanese resident card. (日本国籍者でないなら在留カード)
  • Agreement (Convention d’accueil) to host a researcher or teacher-researcher issued by an accredited organization. (受け入れ協定書:convention d’accueil)
  • Diploma of a Master’s degree or higher. (学位証明)

となっています。長期ビザ申請書は大使館のウェブサイトからダウンロードできるサイトへのリンクが貼られているので、ダウンロードして印刷し、記入します。学位証明はconvention d’accueilを取得するときにスキャンしたものをそのまま提出しました。

ただし実際に在日フランス大使館に行ったときに以下のものを追加で要求されました。

  • パスポートのコピー
  • レターパックプラス

これらは大使館のホームページに出ていないので罠なのですが、この2つが必須です。以前は窓口でビザを受け取る際にはレターパックは必要ありませんでしたが、今はCovid-19の影響で郵送のみでの送付で、かならずレターパックが必要です。私は前回のビザ申請でレターパックが必要なことを知っていたので、持参していきました。パスポートのコピーは知らなかったので、申請のあと急いでコンビニに駆け込んでコピーし、すぐに渡しました。あと大使館に入るために、予約票を印刷して受付で提示する必要があります。

また同行家族がいる場合、出生証明書も提出する必要があります。これは戸籍謄本で良いのですが、戸籍謄本を取得後、外務省に送付してapostille (アポスティーユ: ハーグ条約による公文書の証明) をつけてもらい、さらにそれを法定翻訳してもらいます。法定翻訳は受け付けている業者が限られているので、このリストから選択する必要があります。またアポスティーユと翻訳の順番は逆ではだめです。戸籍謄本は翻訳した時点で私文書となってしまい、外務省による認証が受けられなくなります。そのため、かならずアポスティーユを取得してから、法定翻訳を依頼します。これらの手順には1ヶ月ほどかかるので、早めに準備しておくことをおすすめします。

これらの書類がきちんと揃っていれば、申請は受け付けてもらえます。書類確認の後、写真撮影、指紋取得、そして申請費用 (99ユーロ相当をその時のレートの日本円で現金支払い、お釣りがないほうが好ましいが細かいのがなくてもなんとかしてくれる) を支払ったら終わりです。このとき申請費用のレシート兼申請番号の控えがもらえるので、大切に保管しておきます。

私の場合、8月27日に申請して、自宅にビザが貼られたパスポートが戻ってきたのは9月12日でした。9月は入学シーズンで、他の時期より時間がかかっていたように思います。9月15日が渡航予定でしたのでギリギリでしたが、Twitterとかを見ている限り、かなりギリギリでのビザ発給が多かったようです。

ビザの発給可否が決定したかどうかは、こちらのサイトから確認できます (決定したことを教えてくれるだけで、発給されたか拒否されたかは教えてくれません)。このサイトへのリンク、現在のところ在日フランス大使館の日本語ページには存在しておらず、フランス語のページをみると書いてありました。ビザの申請番号と誕生日を入力するとビザの審査状況 (といっても処理中か結果が出たかだけしか教えてくれないが) を参照できます。審査が終了したとの表示になった次の日にレターパックでビザが届きました。

最後に、長期滞在ビザは入国後に移民局にいって有効化手続きをする必要がありました。以前はビザの申請書類に「移民局提出フォーム」というのがあり、これを元に移民局の予約を取り、召喚状が送られてきたら移民局へ出頭するという手続きが必要でした。しかし現在はその手続はなくなり、ウェブサイトのみで完結するようになりました。住所が決まったらウェブサイト上で必要情報を入力し、有効化の申請費用をクレジットカードで支払えばOKです。私の今回の滞在では200ユーロでした (250ユーロと事前に案内されていましたが、それとは少し値段が違いました)。これで有効期限までは合法にフランスに滞在することが出来ます。

大使館へ提出する必要書類等が2018年当時と変わっていたので、その情報のまとめでした。Covid-19の影響がどこまで続くかわかりませんが、これから渡仏して研究される方々の助けになれば幸いです。