この9月からフランスのパリ大学 (旧パリ第7大学) 宇宙線・宇宙論研究所に再び長期滞在することとなりました。理研でのポスドクとしての身分は有したままで、理研としては長期出張として、受入機関としては客員研究員としての滞在となります。
3ヶ月を超える滞在になるので、2018年に滞在したときと同様に長期滞在ビザを申請しました。前回の申請から2年半が経ち、かなり制度が変わっていたので、現時点での最新情報を残しております。ただし1年も経つと情報が変わる可能性があるので、注意してください。
研究者ビザの取得で最も重要なのは研究機関からの受け入れ協定書convention d’accueilです。これは受け入れの研究機関にお願いして発行してもらいますが、申請から発行まで1-2ヶ月、長いと3ヶ月以上かかるので注意が必要です。この書類がないと在日フランス大使館でのビザ申請は受け付けてもらえません。
宇宙線・宇宙論研究所はパリ大学をはじめいくつかの機関が共同で運営しているUMR (unité mixte de recherche) ですが、今回はその機関の一つであるCNRS (Centre National de la Recherche Scientifique: フランス国立科学研究センター) からconvention d’accueilを発行してもらいました。そのときに必要な書類は
- Copie du passeport (パスポートのコピー)
- Copie du certificat de naissance, traduit en français (フランス語翻訳された出生証明書、日本の場合は戸籍謄本)
- Copie de ton diplôme (学位証明)
- Justificatif de revenu / Attestation de ton employeur certifiant que tu seras payé lors de ton séjour (滞在中の収入に関する証明)
- Attestation d’assurance pour la période demandée (損害賠償保険の加入書)
でした。いずれもスキャンしたものをコピーして送りました。
戸籍謄本については2018年の滞在時に取得し、法定翻訳をしたものを所持していましたので、そのスキャンを送付しました。自分で翻訳したものが受け付けられるかは担当の方に聞いてみると良いと思います。
学位証明は出身大学から英語の学位取得証明書を発行してもらいました。
滞在中の収入に関する証明ですが、これはCNRSの指定様式があり、これに対して理研の方でサインをしてもらいました。海外学振や他の機関だとどうするのが良いのかは確認が必要です。
損害賠償保険ですが、これは海外旅行保険で損害賠償がカバーされる保険を契約すればよいです。もしフランスでsécurité socialのような医療保険に加入する場合もこの損害賠償保険は加入が必要です。その場合、治療・救援者費用を含まない海外旅行保険が存在するので、そういったサービスを利用するのが良いと思います。
すべての書類を送付したのが6月30日、日本にconvention d’accueilがDHLで届いたのは7月15日でした。おそらく最速の部類です。2018年に申請したときは1ヶ月半ほどかかりました。状況によって変動するので、早めに手続を始めることをおすすめします。