PASJのフォーマットで作成した論文をarXivにアップロードする

またもやarXivにアップロードする話です。前回のエントリーで、arXivにアップロードする際の画像パッケージをdvipdfmxからpdftexに変更しないと、arXiv上のプレビューで画像が表示されないという話をしました。今回は天文の論文誌PASJで同様のことを行う記事です。

日本天文学会が発行する欧文研究報告誌Publications of the Astronomical Society of Japan (PASJ) は、天文学者や天文学を専攻する大学院生の多くが投稿する英語の論文雑誌です (残念ながら私はまだ投稿したことがありませんが)。PASJのLaTeXフォーマットファイルではdvipsが使われていて、このままarXivに投稿しても図が表示されません。PASJでは画像パッケージをクラスファイルで定義しているので、arXivで通るようにするにはコツが必要です。

PASJのLaTeXフォーマットに含まれるpasj01.clsを開くと4222行目あたりに
\RequirePackage[dvips]{graphicx,color}
というのが記述されています。もし周辺に出てこなかったらdvipsで検索をかけてください。このdvipsをpdftexに変更するとarXivでも問題なく図が表示されるようになります。ただしdvipsではEPSやPSファイルの埋め込みも対応していましたが、pdftexではそれらは非対応になります。したがってあらかじめ図をPDFに変換しておく必要があります。

またPASJの原稿をarXivに投稿する際には、コマンドの衝突を避けるために以下の手順を行うことが推奨されていますので、参考にしてください。
Astro-Phに投稿する際の注意